2019年9月2日月曜日

2019.09.02 わが友に贈る

◇今週のことば
創価の青年の情熱こそ
世界を蘇生させる力だ。
「我もいたし
人をも教化候へ」
生き生きと仏法を語れ!
2019年9月2日

教行証御書 P1282
『此の法華経の本門の肝心妙法蓮華経は三世の諸仏の万行万善の功徳を集めて五字と為せり、此の五字の内に豈万戒の功徳を納めざらんや』

【通解】
法華経本門の肝心である、この妙法蓮華経は、過去・現在・未来すべての諸仏の、あらゆる修行、あらゆる善行の功徳を集めて五字としたものである。
この五字の中に、どうしてあらゆる戒の功徳を納めないことがあろうか。

〈寸鉄〉 2019年9月2日
東海道でSGI交流交歓会。我らは永遠に師と共に!共戦の心は世界共通
会長の思想こそ人間主義の時代を築く規範—総長後継の勇気の対話で拡大
「九界の一人を仏になせば一切衆生・皆仏に」御書目前の一人の励ましから
9月は「食生活改善普及運動」。健康の要ここに。賢く見直し夏バテを克服
AI用いて詐欺電話検知する実験と。一方、手口も巧妙化。油断禁物が第一

☆地域を歩く 愛知・長久手市 2019年8月22日
◇"日本一若い街"で
愛知県には、住民の平均年齢が38・6歳という"日本一若い街"がある(全国平均は46・4歳)。
名古屋市と豊田市の間に位置する長久手市だ。
かつては田園地域だったが、2006年、「日本国際博覧会」の会場跡地に「愛・地球博記念公園」が開設し、その後、市の主要道路である「グリーンロード」沿いに、大型商業施設が次々とオープンした。
市内には、県立大学、県立芸術大学、愛知医科大学など数々の大学キャンパスがあるほか、コンサートホールを備えた「長久手市文化の家」など、さまざまな文化・教育施設が。市外からも、たくさんの子どもたちが課外授業でやって来るという。
近年は、多くのファミリー層が移住しており、この30年で、人口は約2倍の5万9000人に増加した。
現在、市が力を注ぐのは、子育てを軸にした"住民主体"の街づくり。市内にある小学校の各校区で「地域共生ステーション」の設置が進み、地域の課題を巡る話し合いや交流会が行われている。
新しい住民が増える中で、一人一人の自治に対する「主体者意識」と「共同意識」をどう育むか——ここに長久手が挑む課題がある。
この地で、14年にわたり交通指導員を務めてきた川本秋子さん(支部婦人部長)は朗らかに言う。
「昔も今も、学会員は地域愛にあふれています。子どもの教育支援や防災・防犯など、さまざまな地域貢献の活動に率先しています」

◇皆が街づくりの主体者 後継の育成が明日を創る
川本さんが交通指導員となった背景には、義理の両親である末雄さん(地区幹事)・奎子さん(故人)の、長年にわたる地域貢献の足跡がある。
市内に、小学生が登下校で使う「地下道」がある。中は暗くゴミが散乱していた。義理の両親は、よくホウキとチリトリを持って黙々と清掃に励んだ。
「埃まみれになった服を、2人はいつも笑顔ではたき合っていました」と振り返る川本さん。現在、義理の両親の地域を思う心を継ぎ、この地下道の出口でも交通指導を行っている。
長久手では、他にも交通指導員を務める婦人部メンバーが多く、共に交通安全教室の企画・運営などを担ってきた。
これまで関わった子どもたちの中には、中学生、高校生になっても、「お久しぶりです」「あの時は、ありがとうございました」と声を掛けてくれる人もいる。
「大人の元気は子どもに伝播します」と川本さん。日々、人一倍明るいあいさつで、子どもたちの成長を見守っている。

「つい先日、名古屋の大学で防災の講習を受けてきたところです」。そう意気軒高に語るのは、防災・防犯の"エキスパート"として信頼を集める市橋洋子さん(地区副婦人部長)だ。
これまで、「地域赤十字奉仕団」の市の責任者として約20年、応急処置の訓練を推進したほか、「防災コーディネーター」として講習会を開催。さらに、市内の小学校区のパトロール連合の代表を10年以上務めている。
日頃から、近所を回りパトロール。顔見知りの高齢者が暮らす家の前では、「お元気ですか?」と積極的に声を掛け、安否を確認する。
長年のボランティア人生の中では、人と意見が合わず、心ない言葉を浴びせられることもあった。そのたびに池田先生の指導をひもといた。
「誰にでも"人のために生きよう"という気持ちがあります。その慈悲の心を引き出す挑戦がボランティア活動だと、先生の言葉から学び、忍耐強く取り組んできました」
現在は、月に一度、小学校区の関係者が防災・防犯の課題を話し合う会議にも出席。持ち前の笑顔で、皆の意見をまとめる"パイプ役"になっている。
「"自分の身は自分で守る"のは当然ですが、"皆の身を地域で守る"という意識を広げていけるよう努力します」

優雅なクラシック音楽が流れる、リラクゼーションバーバー「髪飛(ハッピー)」。
飯田信廣さん(副支部長)・敬子さん(地区婦人部長)夫妻が経営する、開業31年の理容店だ。親子での利用客や、県外から散髪に来る人もいる。
信廣さんは未来部時代、池田先生と初めて出会いを結んだ。
先生は「一丈のほりを・こへぬもの十丈・二十丈のほりを・こうべきか」(御書912ページ)との御文を拝し、「コツコツと水の流れるような信心を」と指導。これが生涯の指針の一つになっている。
高校を卒業後、父と同じ理容の道に進み、東京で6年間、修業。その後、「地域の人に愛される場所を」と祈る中、現在の地に自宅兼店舗を建てた。
以来、街も客層も大きく変わる中で、飯田さん夫妻は、水の流れるように、たゆまぬ唱題を貫き、技術とサービスを磨き続けてきた。
現在、信廣さんは中部の理容師団体の責任者の一人。同団体では理容師のコンテストを主催しており、信廣さんは、チラシの制作から、審査結果の取りまとめまで、事務作業の大半を担う。「青年部時代に学会の『文化祭』で培った経験が全部生きています」
2人の娘も、同じく理容師として活躍中。「感謝の心で地域に恩返しを」と、一家で仲良く進む。

「個性を生かす『桜梅桃李』の哲学を胸に、子どもの長所を伸ばせる人になりたい」と語るのは、保育士2年目の杉山あいみさん(女子部部長)だ。
保育実習の時のこと。日々、子どもたちの成長を祈り抜く中で、一人一人の良い所を積極的に見つけ、褒めたたえ、それを家族にも伝えた。すると実習先の先生が、「子どもと向き合う姿勢が素晴らしい」と高く評価してくれた。
自分の心を信心で磨けば磨くほど、子どもたちの新しい一面や可能性に気づけるようになると、強く実感した。
今の勤め先では、国際結婚の家庭の子や、発達障がいがある子など、それぞれに多様な課題がある。そうした中、かけがえのない一人一人の成長を記録し、家族が心から喜ぶ「お便り」を作ろうと、毎晩遅くまで机に向かう。その傍ら、女子部の部長としてメンバーを励ましている。
「池田先生が"人生最後の事業"と言われる教育の仕事に携わることができ、大きな誇りを感じます。どこまでも信心根本に、子どもたちに尽くします」

「子育てに優しい街」と聞いて、4年前に長久手に移住してきた吉野真太郎さん(男子部部長)。
現在、2人の子を育てながら、名古屋を拠点とする航空会社で旅客機の機長として働いている。
幼い頃からパイロットを目指すが、大学時代に採用試験で不合格となった。だが夢を捨てきれず、4年後、再び試験に挑戦。国内外での訓練などを経て、2013年、今の会社で副操縦士となり、16年、ついに機長試験を受ける権利を得た。
試験の直前、池田先生から励ましの言葉が届く。"何としても師の期待にお応えしたい"と必死に題目を唱え、見事、全ての審査を突破。大学卒業から約15年に及んだ試練の逆風を突いて、ついに機長として空へ羽ばたいた。
機長には、あらゆる危険を事前に回避する「緻密さ」や「注意力」が不可欠だ。さらに、整備士や搭乗員らと連携し、適切な手を打つ「全体観」と「コミュニケーション力」なども求められる。
「創価班の薫陶を通し、あらゆる場面で"無事故"を勝ち取るという一念が深まりました。学会活動の中で、機長としての資質が培われたと思います」
吉野さんは、市内で人口増加が最も著しい地域で男子部の部長を務め、日々、子どもを連れてメンバーの訪問・激励に奔走。「家庭、仕事、学会活動と全てに勝つ」との信念が、地域の友の希望となっている。

市内には「長久手古戦場」という史跡がある。
天正12年(1584年)、羽柴(豊臣)秀吉と織田信雄・徳川家康の陣営が戦火を交えた「小牧・長久手の戦い」の主戦場。この戦いで初陣を飾ったのが、家康から厚く信頼された側近・永井直勝である。
学会総本部がある東京・信濃町には、かつて、この直勝を祖とする永井家の下屋敷が広がり、「信濃町」という地名は、徳川家の重臣となった彼の息子・永井信濃守の名に由来する。
かつて池田先生は、こうした史実に触れつつ語っている。
「何事であれ、先人の心を継ぎ、発展させゆく青年ありて、永遠の向上の道は開ける」
「万年の勝利を決定づけることができるかどうかは、ひとえに後継の育成にかかっている」
歴史と未来が交差する長久手——。親から子へ、先輩から後輩へ、地域貢献の心が綿々と受け継がれ、街の明日を創造している。