新聞休刊日
檀越某御返事 P1295
『御みやづかいを法華経とをぼしめせ、「一切世間の治生産業は皆実相と相違背せず」とは此れなり』
【通解】
宮仕えを法華経の修行と思いなさい。経に「一切世間の治生産業は皆、実相と違背しない」と説かれているのはこのことである。
☆創価大学・創価女子短期大学入学式への池田先生のメッセージ
◇皆が"桜花爛漫のグローバル1期生"
◇宝の生命を鍛え咲かせよ
一、はじめに、みんなで「謎解き」をしたいと思います。
一年また一年、年を重ねながら、ますます生き生きと、ますます若々しく生まれ変わる不思議な生命体は、いったい、何でしょうか?
答えは——。そうです。「大学」です!
では、なぜ、大学は毎年、蘇ることができるのか?
それは、向学の心光る「新入生」の皆さん方を迎えることができるからです。新入生の皆さんの「学ぶ心」「挑む心」「開かれた心」こそが、大学の無限の生命力の源泉なのであります。
新入生の皆さん、晴れやかな入学、誠におめでとう! ご家族の方々にも、心からの感謝とお祝いを申し上げます。
この4月より、大学院には新たに「国際平和学研究科」が開設され、短大は充実の「国際ビジネス学科」としてスタートしました。さらに、通信教育部には文学部が新設されました。
どうか、皆さんは"桜花爛漫のグローバル1期生"との誇りも高く、この躍動するキャンパスで、偉大な青春勝利の舞を飾ってください。
皆さんの門出を、世界の英邁なる大教育者の先生方が真心から祝福してくださっています。創立者として、これほど有り難いことはありません。心より御礼を申し上げます。
教員の先生方、職員の方々も、宝の新入生の皆さんを、熱烈に歓迎しております。中国の交換教員の先生方も、誠にありがとうございます。
さらに、いつも陰に陽に大学を守り支えてくださっている方々も、そして、母校を愛してやまない卒業生の方々も、皆さんを大拍手で包んでいます。
そうした日本中、世界中の尊い応援団の心を汲みながら、私は、新入生の皆さん方と一緒に大学の輝く並木道を行進するような思いで、三つのエールを送らせていただきます。
◇人生は永遠に創造
一、第一に「朗らかに学びと成長の並木道を進め」と申し上げたい。
今日は、インド最高峰の名門デリー大学のセント・スティーブンズ・カレッジより、バルギース学長が、お越しくださいました。
デリー大学には、私も1979年2月に伺い、忘れ得ぬ交流を結ばせていただきました。その際、図書館長の先生が紹介してくださった逸話が、私の胸奥に深く刻まれております。
——遥か昔、インドのナーランダの仏教大学に留学した中国の求道者がいた。学問を修め、収集した多くの貴重な書籍を携えて帰国することとなった。途中、川を渡る際、本の重さで舟が沈みそうになる。
やむを得ず求道者は「本を捨てよう」と言った。ところが同行していたインドの人々は「私は泳いで渡ろう」と言って次々に飛び込んだ。
そのお陰で貴重な本を守り、持ち帰ることができた、という話です。
人類の知的遺産は、どれほど多くの先人たちの労苦によって、時を超え、国を超えて受け継がれてきたことでしょうか。
ゆえに、この学問の世界は体当たりでぶつかっていくならば、必ず計り知れない宝の発見をもって応えてくれるのであります。
我らのキャンパスでレオナルド・ダ・ヴィンチらと共に像として立ち、創価の青春を見つめているインドの大詩人タゴールは語りました。
「人生は永遠の創造であり、自己の殻を脱して無限なもののなかに成長して行くとき、その真実な姿を現わす」(山口三夫訳、『タゴール著作集』第9巻、第三文明社)
「人のほんとうの責任は成長すること」(蛯原徳夫訳、同第7巻)にある。
今日から皆さん一人一人が、この「永遠の創造」「無限の成長」という生命の軌道へ出発です。お父さん、お母さん方をはじめ皆さんの成長を祈り見守る方々に、颯爽たる向上と前進の軌跡を、月々日々に、朗らかな笑顔とともに見せて差し上げてください。
◇知恵と友情の道を
一、第二に「世界市民の知恵と友情の並木道を開け」と託したい。
本日は、アメリカを代表する私立大学として名高いデポール大学のザイオンツ教育学部長ご一行をお迎えできました。デポール大学のモットーは素晴らしい。即ち「我は汝に知恵の道を示さん」とあります。
この4月2日「創大開学の日」が命日である私の恩師・戸田城聖先生が、人類の幸福と平和のために最重視したのも「知恵」でありました。
今や、創大の交流大学は世界60カ国・地域、200大学に及ぼうとしております。今年度も、最優秀の留学生が勇み来ってくれました。
どうか、スーパーグローバルの誉れ高き、この最高学府で思う存分、学び鍛え、そして「創造的世界市民」と育ち、21世紀の地球社会に「知恵」と「友情」の並木道を開いていただきたいのであります。
一、第三に「未来を照らす不屈の希望の並木道を創れ」と申し上げたい。
この会場には、嬉しいことに、アフリカ屈指の名門ナイロビ大学のンジェル人文社会科学系カレッジ長ご一行をはじめ、研修中の学生の皆さん方も参加してくださっております。
母校ナイロビ大学で教壇に立たれ、創価大学にもいらしたアフリカの環境の母マータイ博士は、若人に毅然と言い残されました。
「どんな困難や制約にぶつかっても、そこには希望がある」「諦めてはいけない。やり続けなければならない」(アンゲリーカ・U・ロイッター、アンネ・リュッファー著、松野泰子、上浦倫人訳『ピース ウーマン』英治出版)と。まさに不屈の希望の炎です。
皆さんも、この負けじ魂を燃やし、未来を照らしていってください。
終わりに、愛する新入生の皆さんに、
青春を
学び舞いゆけ
花の道
宝の生命を
鍛え咲かせよ
と贈り、私のメッセージとします。
一人ももれなく、健康あれ! 勝利あれ! 栄光あれ!(大拍手)