徹して一人を大切に!
一対一の魂の触発から
納得の決意が生まれる。
さあ今日も朗らかに
友のもとへ足を運ぼう!
妙密上人御消息 P1237
『上大聖より下蚊虻に至るまで命を財とせざるはなし、これを奪へば又第一の重罪なり』
【通解】
上は仏から下は蚊やあぶにいたるまで自分の生命を財宝としないものはない。この命を奪えば、第一の重罪となるのである。
〈寸鉄〉 2018年4月5日
任用試験、申し込み開始。信心の土台固める好機。新たな友を広宣の陣列に
「一閻浮提第一の御本尊を信じさせ給へ」御書。題目の利剣で困難に挑め
優れた人の範例は精神を高めるのに有益—詩人。喜びの体験談を皆で共有
高校生、「自分は価値ある人と思う」45%。皆に使命あり。励ましの万波を!
2030年から全都道府県で人口減。故に一人一人が光る時代を我らから
☆池田先生と綴る未来 創価大学 第20回=完 卒業式 2018年3月27日
◇創大スピリットを赤々と
「思えば、随分、忍耐した」
池田先生は「創価大学の第1回卒業式」と題した随筆の冒頭を、こう書き起こした。
創大が開学した1971年当時、日本では大学紛争の影響により、教育の荒廃が叫ばれていた。その中で、「学生第一」の理念を掲げた創大の教育構想は「幻の大学」と揶揄され、「無名の大学で何ができる」などと批判もされた。
この年、キャンパスを訪れた先生は語っている。
「世間の評価を気にする必要はない。創価大学は20年かけて世界に通用する立派な大学にいたします」
そして、創立者として自ら先頭に立ち、大学建設の汗を流した。著作の印税等を全て大学の資金にあてる一方、クラブや学内活動、諸行事などで奮闘する学生たちの輪の中に飛び込み、渾身の励ましを送った。
開学3年目の創大祭。記念の祝賀会には、700人を超える企業の代表や報道関係者が出席した。先生はその一人一人に名刺を渡し、深々と頭を下げた。
「創立者の池田です。学生が就職活動で伺った折には、どうか、よろしくお願いします」
体調が優れぬ中、汗びっしょりになりながら、約2時間、体育館中を歩き回ったのである。
その姿をまぶたに焼き付けた1期生は、全員が進路を勝ち開いた。さらに2期生、3期生、そして44期生に至るまで、卒業生は創立者がつくった「就職に強い創大」の伝統を受け継ぎ、使命の舞台へと飛翔している。
◇200年先を展望して
夜来の雨もやみ、うららかな陽光が丹木の丘に降り注いでいた。91年3月17日、大学講堂では"東洋一"の規模を誇る創価大学記念講堂が落成した。
式典後に行われた祝賀会で、先生は世界の指導者を育てゆく大殿堂の完成を喜びつつ、教育に懸ける自身の真情を語った。
「大切なのは『人材』である。『青年』である。私は、『創価教育学』の創始者である牧口先生、戸田先生のお心を心として、百年、二百年先の未来を展望しながら、『知性』と『人間教育』のネットワークを、大きく世界に広げていきたい」
翌日に挙行された第17回卒業式。先生は、新しき講堂から最初に巣立ちゆく卒業生に、力強く呼び掛けた。「皆さまは、これから実社会の第一線に出られる。どうか、このキャンパスでわが胸にともした、創大スピリットを赤々と燃やしながら、どんな時でも、どんな所でも、職場など自分の身近から、明るい愉快な人間性の広場を広げていっていただきたい」
開学から満20年——創大は、先生が示した"世界に通用する大学"へと飛躍を遂げた。その発展と信頼の証しとして、講堂の基底部には73カ国・地域162大学の石が埋納されている。
◇勝利の人生たれ!
先生の一学生への激励は、そのまま全創大生、さらには家族らへの励ましとなってきた。
2005年3月の第31回卒業式。先生はスピーチ中、一人の卒業生の名前を読み上げた。
「来ているかな。手を挙げてください!」
突然の呼び掛けに驚きつつ、会場の一隅で力いっぱい手を伸ばす友がいた。難病と闘いながら、車いすで4年間の創大生活を全うした男子学生だった。
——就職活動を控えた前年の3月、彼はキャンパスで思いがけず、先生との出会いを刻む。先生は病や家族の状況などの報告にじっくりと耳を傾け、後に万感の伝言を送った。
「立派な勝利の人生たれ!」
苦闘の末に就職を勝ち取った彼は後日、会社の新入社員の集まりで、ある事実を知る。先生が、勤務先の社長に「私の卒業生をよろしくお願いします」と伝えてくれていたことを——。
卒業式で先生はたたえた。
「よく来たね!」「お父さんによろしくね」
父もまた、障がいを乗り越えた"勝利の人"だった。彼は今、郷里に戻り、町役場の職員として、地域貢献に奮闘している。
◇ ◆ ◇
ある時、先生は言った。
「諸君のためを思えば私は何も恐れないし、いかなる労もいとわない。永遠に私は、諸君の絶対の味方として生き、戦っていく。それが『親』としての創立者のありのままの心である」
またある時は、新天地に羽ばたく卒業生に、こう言葉を掛けた。「君のことは、いつでも私の胸中にあります」「人生は勝つ時も負ける時もある。どんな時も、必ず私の所に帰ってきなさい」と。
開学から間もなく50年——。
先生の心には、いつも愛する創大生・同窓生がいる。
先生とつづった誉れの青春譜がある限り、勝利と栄光の未来は洋々と開かれていく。