「言をもおしまず」
確信と希望の声を
あの友 この友へ!
勇気を出した分だけ
幸の仏縁が結ばれる。
兵衛志殿御書 P1095
『喩えば水すくなくなれば池さはがしく風ふけば大海しづかならず、代の末になり候へばかんばちえきれい大雨大風ふきかさなり候へば広き心もせばくなり道心ある人も邪見になるとこそ見へて候へ』
【通解】
たとえば、水が少なければ池が騒がしく、風が吹くと大海の面が静かではないようなものです。
こうした末法の代になると、旱魃や疫癘が起こり、大雨大風が吹き重なり、そのため心の広い人も狭くなり、求道心のある人も邪見の者となってくるのです。
名字の言 「新たな日常」を前向きな心で 2020年5月29日
「水の千流万派は、一源に始まる」とは、中国・明代の哲人指導者である呂新吾の言葉。たくさんの支流からなる大河も、元はたった一つの源から発している、という意味だ▼さらに呂新吾は続ける。「人の千酬万応は、一心に発す」。すなわち、人は社会の中でさまざまな対応を迫られるが、その全てはたった一つの心から出てくる、との意(守屋洋編訳『呻吟語』徳間書店)。心の在り方によって、その人の行動の全てが変わる、とも言い換えられよう▼緊急事態宣言が解除された今、「新しい生活様式」が求められている。十分な身体的距離を保つとともに、マスクの着用、手洗い・うがいの励行といった、基本的な感染防止対策の「習慣化」が必要だろう▼一方で、"飲食店での望ましい行動など、気を付けなければいけないことが多くて息が詰まりそう"という声もある。先日の学会青年部と医学者による第6回オンライン会議では、一人一人の"心掛け"に注目。"できないこと"を嘆くのではなく、"できること"を見つけ、「新たな日常」を模索することが大切と強調していた▼池田先生は「幸福の源泉は『心』だ。聡明な心は希望を創り、連帯を広げる」と。何があっても前向きな心で。そこから価値創造が始まる。(銘)
寸鉄 2020年5月29日
「日蓮が一門は師子の吼るなり」御書。苦難を吹き飛ばす大確信で勝ち進め
策でなく信心で解決した時宿命転換できる—恩師何があっても題目根本で
外出制限の解除で第2波生じる可能性が—WHO「新しい生活様式」を皆で
言葉巧みに銀行カード騙し取る手口横行と。絶対他人に渡すな。厳重警戒
外出自粛の影響で体重増加の人多し。適度な運動を心掛け賢く健康づくり
☆SUA卒業生への池田先生のメッセージ 2020年5月26日
◇人類の生存と共生の未来へ 民衆奉仕の先駆者たれ
一、人類の「希望の光」と輝く16期生、ならびに大学院新教育プログラム5期生の皆さん、晴れのご卒業、誠におめでとうございます。
大切な俊英たちを温かく励まし支え続けてくださった、ご家族、ご友人方、さらに教職員はじめ全ての関係者の方々に、創立者として厚く御礼とお祝いを申し上げます。
一、新型コロナウイルスの感染拡大という世界の苦難の渦中に、愛する卒業生を送り出すこととなり、私はひとたびは、皆さん一人一人が直面する苦労を案じ、胸が痛んでなりません。しかし、再びは、皆さんの雄飛こそが、混迷の闇に必ずや新時代の旭日を輝かせてくれることを確信し、心が高鳴るのであります。
なぜならば、このアリソビエホのキャンパスに脈打つ創価の哲学は、いかなる難局にあっても活路を切り開いていく不屈なる価値創造の力だからであります。そしてまた、いかなる差異をも超え連帯を織り成していく、平和の価値創造の智慧だからであります。
古来、人類の歴史は、災害や疾病などの試練の「挑戦」に、力と智慧を合わせて「応戦」を重ね、新たな前進を勝ち取ってきました。
古代ローマの「五賢帝」の一人と名高いマルクス・アウレリウスは、疫病などの災禍に立ち向かい、悩み戦い抜く日々に、後世へ読み継がれる『自省録』を記し残しました。
1900年の歳月を超えて、この哲人指導者の呼び掛けが、私たちの魂に響いてきます。
「自分の内を見よ。内にこそ善の泉があり、この泉は君がたえず掘り下げさえすれば、たえず湧き出るであろう」「もっとも高貴な人生を生きるに必要な力は魂の中にそなわっている」(『自省録』神谷美恵子訳、岩波文庫)
今、目に見えないウイルスの脅威に、手を携えて挑む中で、人類は内なる生命の大地に立ち返る転機を迎えているとは言えないでしょうか。
まさに、地球民族に等しく具わる「善の泉」から、困難を乗り越え、自他共の幸福と平和を勝ち開く力を解き放つ時が到来しております。その覚醒の暁鐘を打ち鳴らす世界市民のリーダーこそ、わがアメリカ創価大学の若き創立者たる皆さんなのであります。
一、思えば、このマルクス・アウレリウスを"人生の恩人"とされたのは、私が対談を重ねたイギリスの大歴史学者トインビー博士であります。博士の大著『歴史の研究』では、200に及ぶ人や書籍に「感謝の言葉」を記された筆頭に挙げられています。
一流の知性は一流の人格が光り、報恩感謝の道を貫いているのです。
◇「使命」即「栄光」
一、トインビー博士は、強く訴えられました。
「苦難に打ち勝った人間は、開拓者の役目を果す」「他の人びとに進むべき道を指し示すことによって仲間の人間に奉仕するのである」(『トインビー著作集1』所収「歴史の研究�」長谷川松治訳、社会思想社)と——。
皆さんは、人類の生存と、高貴なる共生の未来の開拓者です。平和を希求する世界の友の悲願が結集した大学に学んだ民衆奉仕の先駆者です。
尊き父母をはじめ、世界の民衆の大いなる期待に応えゆく、人類貢献の「使命」即「栄光」、「労苦」即「勝利」の青春を歩み通していってください。
一、アメリカ創価大学の発展を心から喜ばれた、アフリカの環境の母ワンガリ・マータイ博士は語られました。
「私たちは、一人一人が変化をもたらすことのできる存在であり、皆で力を合わせれば、不可能と思われることも成し遂げることができるのです」
どうか、不思議な縁で結ばれた学友たち、同窓生たちと、何があっても励まし合い、助け合いながら、何度でも立ち上がり、「私は負けない!」「我らは断じて勝つ!」と朗らかに、前へ前へ進み抜いていただきたいのであります。
私は、人類のかけがえのない「希望」であり「宝」である、わが愛する卒業生の健康とご活躍、そして凱歌の人生を、永遠に祈り、見守っております。
どうか、いつまでもお元気で!
賢く仲良く大らかに、笑顔のスクラムを地球社会に広げゆけ!