困難を乗り越える力は
「励ましの心」と
「異体同心の団結」だ。
強い絆で支え合い
皆で一歩ずつ前へ!
御講聞書 P843
『然りと雖も諸天善神等は日蓮に力を合せ給う故に竜口までもかちぬ、其の外の大難をも脱れたり、今は魔王もこりてや候うらん』
【通解】
(第六天の魔王自身が邪魔をしてきても)諸天善神等は日蓮に力を合わせてくださったゆえに、竜の口の法難さえも勝つことができた。
そのほかの大難を切り抜けることができた。今は魔王も、懲りていることであろう。
名字の言 コロナ禍の中で見えてきたこと 2020年5月2日
「夜の闇のなかに星が見えるように、苦悩のなかにこそ人生の意味が見えるものである」。文豪トルストイが書きとどめた、詩人ソローの言葉(北御門二郎訳)▼コロナ禍の中で、改めて気付いたことがある。人との接触が制限される中で、初めて見えてきたことがある。「私たちが生きるうえで大切なことは何か」ということ▼「大切なものは目には見えない」とは、サン=テグジュペリの『星の王子さま』の一節。彼がこの言葉を記す十数年前、童謡詩人の金子みすゞはうたった。「青いお空の底ふかく、/海の小石のそのように、/夜がくるまで沈んでる、/昼のお星は眼にみえぬ。/見えぬけれどもあるんだよ、/見えぬものでもあるんだよ」(「星とたんぽぽ」、『金子みすゞ童謡全集』JULA出版局)▼トルストイはロシア、ソローはアメリカ、サン=テグジュペリはフランス、金子みすゞは日本。民族や言葉を超え、「見えないもの」「大切なもの」を見ようとするまなざしは共通する▼いのちを守る医療関係者をはじめ、コロナ禍の最前線で奮闘される全ての皆さまに感謝したい。コロナ終息後の社会のあり方が議論されるが、「見えないもの」「大切なもの」に改めて気付いた私たちは、より良い社会を建設できると信じる。(側)
寸鉄 2020年5月2日
法華経の行者の祈る祈は響の音に応ずるがごとし—御書。師子吼の題目で
広宣流布とは、人間の為の社会の建設—戸田先生平和と幸福の連帯を拡大
劇画『人間革命』の電子版配信に喜びの声、続々。家庭で創価の歴史を学ぼう
今日を立派に生きる事が明日の希望を見いだす—偉人。勇んで困難に挑戦
急な暑さによる熱中症に注意。小まめな換気で室温調整、水分・塩分補給を
☆第3代会長就任60周年記念「師弟凱歌の記憶」 第2回「御書全集の発刊」
「御書根本」こそ、難を乗り越え、勝利の道を開く、学会の永遠の魂である。
1951年(昭和26年)5月3日に第2代会長となった戸田城聖先生は、翌6月、早くも『御書全集』の発刊を発表する。
"戦時中の弾圧で幹部が退転したのは、教学がなかったからだ。
広布を進めるためには一人一人が御書を心肝に染め、揺るがぬ信心を築く以外にない"——これが、戸田先生の結論であった。
池田先生は、依然厳しい状態にあった師の事業の一切の責任を担いつつ、御書発刊を黙々と支えた。連日連夜にわたる校正作業を経て、52年(同27年)4月28日、立宗700年の日に御書全集は発刊。発願から、わずか10カ月の短時日で、約1700ページに及ぶ「希望の経典」が完成し、同志の手に届くことになった。
発刊からまもなく、師は弟子に御書を贈った。その見返しには、戸田先生が書いた一首が残る。
「山を抜く 力はみちたり 若き身に 励み闘へ 妙法の途に」
「山を抜く」とは、山を抜き取るほど力が強大であるとの意味。"ますます行学を深めて、広布の実現へと勇み戦え"との、最大の期待と激励だったと拝せよう。
御書の「発刊の辞」に、戸田先生は「剣豪の修行を思わせるが如きその厳格なる鍛錬は、学会の伝統・名誉ある特徴となっている」と。その言葉通り、厳しき教学研さんの薫陶を受け切ってきたのが、若き日の池田先生だった。
当時の日記には、「御義口伝」「立正安国論」「観心本尊抄」「生死一大事血脈抄」など、恩師から教授された御書の数々が記録されている。師の自宅や就業前の職場、また、移動中の列車の中でも日蓮仏法の深義が伝えられた。
「ある日、先生は、横になってお休みであったにもかかわらず、『よし、やろう!』と言われて、快く教えてくださったこともある。しかし、私に少しでも真剣さが欠けた時には、先生は言下に叱咤された。『やめた! 私は機械じゃないんだ』」——池田先生は、こう回想する。「火花が散るごとく、全精魂を傾けて、師から弟子へ、生命から生命へ、日蓮仏法の真髄を伝授してくださったのである。有り難い師匠であった」
池田先生は、師から打ち込まれた「御書根本」の精神で勇戦の指揮を執り、広布開拓を続けた。
御書は今、英・仏・西・中など10言語以上に翻訳され、人々に希望を送る。「この貴重なる大経典が全東洋へ、全世界へ、と流布して行く事をひたすら祈念して止まぬものである」(戸田先生の「発刊の辞」)との念願は、余すことなく実現したのである。
☆池田先生の指針とともに 学会は「励まし」の団体 2020年4月23日
新型コロナウイルスの感染拡大の中、世界の同志は今、知恵を発揮しながら励ましの輪を広げています。来る5月3日は、池田先生の第3代会長就任60周年となる「創価学会の日」。今回は「学会は『励まし』の団体」をテーマに、先生の指針を学びましょう。「わが家の実践」では、工夫に富んだ親子の取り組みを紹介します。
【池田先生の指針】
今、創価の連帯は百九十二カ国・地域に広がり、二十四時間三百六十五日、たえまなく地球に題目の声が響いています。戸田先生は、どれほど喜んでくださることでしょう。
◇◇◇
共に祈り、共に前を向き、共に立ち上がる。そうして蘇生した友が、今度は、勇んで友を励ましていく——。
世界百九十二カ国・地域といっても、その実像は、一人から一人への"励ましの連鎖"であり、"人間革命の連続ドラマ"で成り立っています。これを「広宣流布」と言うのです。
創価学会ほど、「一人」を大事にしている団体はありません。
その中心になって頑張ってくださっている、仏にも等しい宝の存在が、皆さんのお母さん、そして地域の婦人部の先輩方なのです。
◇◇◇
友を思いやるあなたの優しい心が、学会の思想の表現になる。みんなの輝く笑顔、負けじ魂で挑戦する勇姿、友を励ます声が、周囲を太陽のように照らしていくのです。
そこで、フランスの大文豪ロマン・ロランの次の言葉を贈ります。「たった一人の善人の善は人類を照らすのです。ですから、人類が善くなるか悪くなるかは、私たちひとりひとりにかかっている」
この通り、善の光で人類を照らしているのが、創価学会です。
◇◇◇
人々の幸福を願って仏法を実践する団体——それが創価学会です。あえて一言で言うなら、世界を元気にしているのです。仏法は人の振る舞いに表れ、人と人の間に脈動します。その真髄が「励まし」です。
悩む人、苦しむ人に寄り添い、「大丈夫! あなたならできる」と励ましを送って、共に幸福の道を歩んでいく。その振る舞いに真の人間性が光り、最高の正義の道があります。
◇◇◇
草創期、学会は「貧乏人と病人の集まり」とバカにされた。
「病気が治ってから来い」「お前が貧乏でなくなったら信心してやる」などと、心ない言葉を浴びせられた。でも、何と言われようが、前進をやめなかった。
勇敢に信心を貫く中で、病気を治し、生活を好転させ、幸福を勝ち取っていった。自分だけではない。友の幸せを祈り、地域に、社会に尽くし、勝利の境涯を開いていった。この「人間革命の歴史」が、学会の誉れです。
学会員ほど偉大な人はいない。私は、こう断言できます。
今や、多くの世界の識者も、社会に貢献する立派な青年を育てる学会に、最大に賞讃の声を寄せてくれています。
世界の知性と良識が、創価学会の味方なんです。
◇◇◇
未来の主人公は君たちです。次の学会を創るのは、まぎれもなく未来部のみんなです。
五月三日が学会の永遠の原点の日ならば、五月五日の「創価学会後継者の日」は永遠の希望の日です。私は、祈り信じています。君の勝利を! あなたの幸福を!(『未来対話』)
※ロマン・ロランの言葉は、「戦時の日記 4」山口三夫訳(『ロマン・ロラン全集 29』<みすず書房>所収)
◇わが家の実践(1)
「小学校ごっこ」に挑戦 大阪府貝塚市 岡本妙子さん(主婦)
先月、わが家の一人娘が幼稚園を卒園しました。
いよいよ、待ちに待った小学校の入学——そう思っていた矢先、新学期の開始を延期するとのニュースが飛び込んできました。
「えーっ!」と声を上げて残念がる娘。その姿を横で見ていた私は「これから毎日、どう過ごせばいいのか」と不安な気持ちになりました。
しかし、そう迷っている時間もありません。とっさに「今しかできないこと」を考え、幾つか挑戦を決めました。
その一つが、小学校生活をイメージした「小学校ごっこ」です。
少しでも娘が主体的に取り組み、休みが明けたら、スムーズに小学校に通い出せるようにとの思いから、こうした名前になりました。
字の書き方や絵本の音読に取り組む「国語」、時計の読み方を学ぶ「算数」、ラジオ体操や軽い運動をする「体育」といった具合に、時間割を作成しました。
工夫したのは各教科だけでなく、集団生活で必要な「給食」や「掃除」といった時間も設けたことです。たまに娘が飽きた時には、ベランダでおやつを食べる「遠足」もします。
さらに「お友達との文通」にも挑戦しています。通っていた幼稚園では、園児同士が仲良く手紙を送り合い、たくさんの良いお友達に恵まれた娘は、いつも楽しそうに取り組んでいました。
そこで、"新学期がスタートしたら、また一緒に遊ぼうね"との思いを込め、同じ小学校に通うお友達とやりとりをすることにしました。
手紙といっても、絵ばかりなのですが、娘は「今日はこの子」「明日はあの子」と取り組む中で、自然とお友達を思う気持ちを強くしています。
「小学校ごっこ」以外にも、わが家では信心継承のチャレンジもしています。
「まずは祈りから」ということで、新型コロナウイルスの感染拡大について、できるだけ丁寧に伝え、朝晩の勤行・唱題の時に、一日も早い終息を一緒に祈るようにしています。
先日は、文通の延長で、親子で池田先生にお手紙を書くこともできました。
夫が仕事で不在になる平日の日中は、私だけが娘と向き合うことができる唯一の大人です。
正直しんどいと思う瞬間もありますが、それでも深呼吸をしながら娘の目線に立って話を聞き、共に挑戦を続ける中で新たな発見をすることも多いです。
振り返った時に、「特別な宝の時間を過ごせた」と言える日々を送っていきます。
◇わが家の実践(2)
親子4世代の"祈り"の絆 愛知県津島市 福田亮姫さん(主婦)
わが家は、親子4世代の7人家族です。夫と私、婦人部の長女と2歳の孫、女子部の次女、小学4年の三女が一緒に暮らし、義理の母は入院生活を送っています。
年齢も仕事も、生活リズムもバラバラですが、今回の感染拡大により、皆で家にいる時間が多くなりました。
当初は、食事の支度だけで一日がドタバタと過ぎていきました。"このままではいけない。今だからこそ、できる挑戦はないか"と考える中、毎晩の勤行を家族全員で取り組もうと決意しました。
これまで、毎月の座談会には全員で参加するようにしてきましたが、自宅で一緒に祈る機会が少なかったことに気付いたのです。
とはいえ、いきなり「私と勤行する人?」と呼び掛けても、最初は誰からも返事がありません(笑い)。
ですが、2、3日が経つと、まず孫が反応してくれました。「じいじ、ぎょんぎょう(勤行)」と声を掛けられると、夫は"孫が言うなら"と導師を務めるように。
すると、娘たちも加わり、ついには3匹の愛犬も仏間に集合(笑い)。今では毎晩、家族全員で勤行・唱題ができるようになりました。
そうした中で、新たな向上心も湧いてきました。三女と私は「一日5分の読書タイム」を設定。三女は池田先生が少年少女部に贈った『希望の大空へ』を読み、私は小説『新・人間革命』を学習しています。もともと読書が苦手な2人ですが、毎日楽しく、先生の指針を学び合っています。
ここ最近、特に心配だったのが、なかなか会えなくなってしまった入院中の義理の母でした。そこで、家族で知恵を出し合い、義母との「交換ノート」を作ることに。家族の写真を貼り、皆で応援のメッセージを書き込みました。
義母は、糖尿病の合併症で体が不自由なため、字を書くことも容易ではありません。それでもノートには、「風邪を引かないようにね」「仕事を頑張ってね」と、娘や孫たち一人一人に向けた言葉が添えられていたのです。
その一字一字から、ベッド上で懸命にペンを握る姿が目に浮かびました。どんなに大変な状況でも、いつも私たち家族のことを祈ってくれているのだと思うと、胸が熱くなりました。
たとえ会えなくても、祈りは必ず通じ合う。知恵と工夫で絆を強めていける——そう実感する日々です。
今後も、家族で信心の呼吸を合わせ、楽しく前進していきます。