永遠なる師弟がある。
強気同志の絆がある。
ゆえに我らは不撓なり!
使命深き一人一人に
仏法勝利の実証は厳然!
十字御書 P1491
『我等凡夫はまつげのちかきと虚空のとをきとは見候事なし、我等が心の内に仏はをはしましけるを知り候はざりけるぞ』
【通解】
私たち凡夫は、まつげが近くにあるのと虚空が遠くにあるのとは見ることができない。私たちの心の中に仏がおられるのを知らないでいたのである。
〈寸鉄〉 2019年10月22日
各地で新任幹部が誕生。まず3カ月が勝負。新生の心意気で11・18へ前進
福井「凱歌宣言」の日。"福運の井戸"から幸の連帯を拡大!常勝の誇りで
「末法の時は折伏以外にない」恩師。青年よ希望と正義の哲理を堂々と語れ
思春期・若年成人のがん、約8割が女性と。検診と支援体制の整備が急務だ
環境破壊の影響で数十年で50億人が食料危機と。今こそ英知結集し行動を
☆世界のザダンカイ パラグアイ 2019年10月13日
◇語り合う 深め合う
大いなる共感と触発と歓喜の広場——「ザダンカイ」は、世界共通の言葉である。日本から約1万8000キロ離れた南米パラグアイでも、創価家族の語らいが弾んでいた。8月中旬、エンカルナシオンとアスンシオンを訪れ、その模様を取材した。
◇エンカルナシオン
パラグアイの南東部に位置するイタプア県の県都エンカルナシオン。アルゼンチンとの国境をなすパラナ川沿いにある。
エンカルナシオンとその周辺の移住地が、サンタ・ロサ支部エンカルナシオン地区の活動の舞台である。
「ここイタプア県はパラグアイ広布の源流の地です。私たちは、道なき道を切り開いた先駆者の汗と涙を忘れず、新たな広布の波を起こしていこうではありませんか!」
会合の席上、タカシ・アタギ支部長が語ると、大拍手が。参加者の瞳には「源流」の誇りが光っていた。
戦後、日本人移住者はエンカルナシオンの北東16キロから始まるチャベス移住地や隣接のフラム移住地などに入植した。移住者に与えられた広大な土地は原生林。木を切り出し、自分たちで家を建てるところから始めなければならなかった。
この移住者の中に、学会員がいた。1961年、彼らを中心に、パラグアイ地区が結成されたのである。
アタギさんの父・テツオさんもパラグアイ広布を切り開いてきた一人だ。57年に愛媛で入会し、59年、妻と2人の子を連れてフラム移住地へ。日本から箱に詰めて持ってきた聖教新聞を手に、折伏に歩いた。生活は貧しかったが、心は充実していた。「自分のことを祈ったことは、ほとんどないね。いつもあの人、この人と、誰かのことを考え、祈って動いてきましたよ」
テツオさんは現在、88歳。「"こんないいところはない"と心の底から感じています」
そんな広布の先駆者の心を継いで、今、同地区は、新たな発展の時を迎えている。
この日、司会を務めたのは未来部のロバート・ルイス・ディアスさん。新入会で男子部のエドガル・ボルドンさんが信仰体験を披露し、女子部のジェシカ・アタギさんが教学の研究発表、ジェニファー・フレテスさんが青年部の運動を紹介した。
かつて日系人中心の地区だったが、現在は約7割がパラグアイ人のメンバーだ。このうち、青年部が半数を占め、地区は活気に満ちている。
アタギさんは語る。「源流の誇りこそ私たちの原動力です。私自身、毎年、2世帯の弘教が実り、個人折伏は20世帯を超えました。その大半が現地の青年です。私たちは今再び、先駆者の自覚で対話に打って出ます」
◇アスンシオン
首都アスンシオンでは毎週、班(日本のブロック)を中心に座談会を開いている。今回、取材した三つの班座談会は、いずれも「全員参加型」の内容だった。
王者支部のビスタ・アレグレ班では「慈悲」をテーマにディスカッションを。
「慈悲の根本は抜苦与楽です。相手の話をよく聞くことから始まると思います」
「悲しんでいる人を見たら、放っておけない。でも声を掛けるには勇気が必要ですね……」
さまざまな意見が飛び交う中、中心者である婦人部のマリアナ・バレットさん(班長)が小説『新・人間革命』第9巻「鳳雛」の章の一節を紹介した。
——山本伸一が、小児麻痺の後遺症と経済苦に悩む友に同苦しながら、"強い心を育んでほしい"と願い、あえて厳しい口調で語った場面である。
「あなたには、御本尊があるではないか! 迷ってはいけない。ハンディを嘆いて、なんになるのか。いくら嘆いてみても、事態は何も変わりません。また、すべての人が、なんらかの悩みをかかえているものだ。いっさいが恵まれた人間などいません。学会っ子ならば、どんな立場や状況にあろうが、果敢に挑戦し、人生に勝っていくことだ。どうなるかではなく、自分がどうするかです」
バレットさんはこの一節を通し、語った。
「慈悲は感傷的なものではありません。現実を嘆くのではなく、山本伸一のように、目の前の友と真剣に向き合うことが慈悲といえるのではないでしょうか」
最後に、男子部のマティアス・サンチェスさん(副班長)が口を開いた。「皆、悩みは尽きません。だからこそ友のことを真剣に祈り、勇気を出して励ましを届けていきたいと思います」
「不軽菩薩とは? どなたか説明してください」——王者支部の開発班では冒頭、婦人部のパトリシア・エスコバルさん(班長)が参加者に投げ掛けた。
「ちょっと間違っているかもしれないけれど……。何を言われても感謝できる人、どんな時でも、励ましを送れる人だと思います」
「素晴らしい。他の方はどうですか」とエスコバルさん。時に冗談を交えながら、皆が話しやすい雰囲気をつくっていく。
ある壮年が語った。
「不軽菩薩の言葉を信じられず、瓦のかけらや石を投げつける人がいました。それでも、不軽菩薩は、相手の可能性を信じ抜き、敬い続けました」
さらに壮年は続けた。
「私たちの実践に置き換えると、常に相手を敬うことは難しい時もあります。だから学会活動に励む意義があります。私も、もっと境涯を高め続けていきたいですね」
あっという間に1時間がたち、終了時刻に。この座談会が、まさに相手を敬い、相手の可能性を引き出す"地涌の菩薩の集い"そのものだった。
勝利支部の幸福班では「辨殿尼御前御書」の一節を学び合った。
担当は、男子部のヘラルド・アラルコンさん(班長)である。
「第六天の魔王・十軍のいくさを・をこして・法華経の行者と生死海の海中にして同居穢土を・とられじ・うばはんと・あらそう、日蓮其の身にあひあたりて大兵を・をこして二十余年なり、日蓮一度もしりぞく心なし」(御書1224ページ)
アラルコンさんは語った。「広宣流布は、やむことのない仏と魔との連続闘争です。ここでは、不退の信心こそ一切の魔を打ち破っていく極意であると仰せです」
ここから、参加者は「魔の働き」について語り合った。
「"このくらいでいいかな"と思ってしまう妥協の心。"自分には関係ない"という無関心。魔は自分の中に潜んでいますね。成長を妨げる働きがあると思います」
「魔は、日常生活の中で突然、襲ってきます。でも教学を学び、活動に励めば、境涯が高まり、"これが魔だ"と見破ることができます。魔を打ち破るたびに、私たちは成長していけますね」
参加者は「折伏に挑み続けていくことが、魔を打ち破る力であり、宿命転換の道である」と決意し合った。
これで座談会は終了かと思いきや、皆、立ち上がり、庭へ。"コミュニケーションゲーム"が始まり、大盛り上がり。創価家族の笑い声がアスンシオンの夜空に響いた。