2015年12月9日水曜日

2015.12.09 わが友に贈る

「陰の人を大切に」
これが学会精神だ。
黙々と行動する
献身の友に感謝を!
心からの賞讃を送れ!

妙法比丘尼御返事 P1412
『法華経のかたきを見て世をはばかり恐れて申さずば、釈迦仏の御敵いかなる智人善人なりとも必ず無間地獄に堕つべし』

☆こころに響く言葉
一個の人格としての尊敬

親から生まれたとはいえ、
子どもはあくまでも別個の人格である。
たとえ幼くとも、親には子どもを心から尊敬する一念が、
根底になければならないと思う。

☆台湾建国科技大学「終身名誉教授」称号授与式への謝辞
栄光燦たるたる貴・建国科技大学の創立50周年を、心からお祝い申し上げます。誠に誠に、おめでとうございます!
そして、この晴れやかな佳節に、誉れある貴大学の一員として連ならせていただきましたご厚情に、最大に感謝申し上げます。
この最高の栄誉を、模範の良き市民として、平和と文化と教育の旗を掲げ、社会の繁栄と人材の育成に貢献している、大切な大切な台湾SGIの友人たちと共に、私は分かち合わせていただきます。先生方、本当にありがとうございました!

私の心には、貴大学の誇り高き魂の歌声が響いてまいります。
「天地闊く、日月光りて、弦歌四方に起こり、/八卦山の前に草木香し/科技興り、百工昌んなりて、建国千方を奮わす。/中華の児女は最も堅強なりて、/学は精湛にして、術は優良なり」と。
宇宙をも包みゆく大いなる心で、科学技術と人間教育に邁進されゆく信条が謳い上げられております。
私の恩師・戸田城聖先生は、戦時中、日本の軍部政府と対峙して、2年間の投獄を耐え抜き、戦後は、「人間革命」、そして「地球民族主義」のビジョンをもって青年を薫陶した教育者です。
この恩師は「麗しの島」と讃えられる詩情豊かな台湾に深い敬愛の念を抱き、よく私に「一緒に行きたいな」と語っておりました。
この憧れの天地で、幾多の秀麗なる人材を育成してこられた貴大学の半世紀の歩みに、私は強く胸を打たれるのであります。本日は、3点に約しつつ、
感謝を込めて申し上げたいと思います。

◇苦難を使命に!
第一に、「自己の道を切り開く」ということであります。
「志あれば、ついに成る」との大信念を貫かれた孫文先生は、不朽の大著『建国方略』で強調されました。
「わが心が、これは行ないうると信ずれば、山を移し海を埋めるような難事でも、ついには成功の日を迎える」「心の作用はかくも大きいのである。心とは万事の本源である」(伊藤秀一訳「心理建設」、『孫文選集第2巻』所収、社会思想社)
この心の無限の力を体現した模範の指導者こそ?聯星理事長であられると、私は讃嘆申し上げたいのであります
理事長は青春時代、苦境の家族を支えるため、夢であった進学を断念して、懸命に働き抜かれました。その深い心の痛みがあればこそ、青年たちに学ぶ喜びに満ちた最高の教育を贈りたいとの、宗高な志を掲げられたのです。そして、大実業家として勝ち得た経験と知恵を尽くして、堂々たる学城を築き上げて来られました。
まさしく、大いなる不撓不屈の志には、苦難を使命に変える力があります。
今、天空に連なる星のごとく、社会で輝き光る卒業生の活躍を、理事長は、どれほど嬉しく見守っておられることでしょうか。その心情を、私も大学を創立した人間として深く共有するものであります。
大志をもって「自己の道を切り開く」ことを示してこられた理事長の尊き足跡こそ、不動の北極星のごとく、これからの青年たちの希望の指標となるであろうことを、私は、確信してやみません。

◇永続的平和のために
貴大学に共鳴してやまない第二の点は、「人材こそ一切の根本である」ということです。
私は、このたび共に対談集を発刊した劉遵義博士から、祖父と慕う于右任先生の貴重な書を贈っていただいたことがあります。
そこには「万世の為に太平を開く」との言葉が、墨痕鮮やかに認められておりました。
孫文先生の盟友であられた于右任先生は、「中国文化の基本の重点は『人が本位』である」(西出義心著『于右任傳金銭糞土の如し』)と喝破され、多くの大学や学校を創設されました。
混迷を深める世界は、ますます強く、永続的な平和と発展を築く人材を要請しております。
その意味で、貴大学が教育方針として、「三力」すなわち「学力」「実力」「願力」を掲げておられることに、私は感嘆しています。
真理を求め、明らかにしていく「学力」。
真理を現実に応用して創造的成果を挙げていく「実力」。
そして、人のため、社会のためにと願い立ち、強い意志で貢献・奉仕していく「願力」──。
この三つを併せ持った「全体人間」こそ、変化の激しい多様な社会のいずこにあっても、断じて勝利の活路を開いていける、確かな人材像でありましょう。

◇生命の可能性を!
そこで第三に申し上げたいのは、「限りなき創造精神を光らせる」ということです。
大詩人・蘇東坡は「智者は能く物を創す(智者は模倣するのみならず発明するに至る)」(釈清潭訳註『蘇東坡全詩集第4巻』)と詠いました。実学の英知の学府たる貴大学には、積極果敢な創造精神、開拓精神、チャレンジ精神が脈打っております。
先端技術のプロフエッショナルを育成してこられた貴大学は、産業界とも連携し、世界有数のグローバル企業など170もの企業と技術開発を推進しております。毎年、国際的な発明コンクールに挑戦し、数々の輝かしい栄誉を獲得されている努力と成果に、最大の敬意を表するものであります。
私どもの「創価」とは「価値創造」という意義であり、創価教育は創造的人間の育成を目指しております。
ともあれ、人間の生命に秘められた、限りなき価値創造の力を、どこまで引き出し、豊かに開花させることができるか。この教育の挑戦が、これからの人類の命運を決するといっても決して過言ではないでありましよう。
中国の古代科学史に名高き思想家・王充は、「切磋琢磨、乃ち宝器を成す」(山田勝美著『新釈漢文体系69論衡中』)と語りました。
現代のグローバル社会においては、教育の交流こそ世界市民の宝器を成す切磋琢磨であり、新たな希望の創造力を薫発する道ではないでしょうか。
私たちは、兄と仰ぐ貴大学の皆さまと共々に、平和と幸福の未来を照らしゆく希望の人材の星雲を創出していきたいと願ってております。
結びに、私にとっても、かけがえのない母校たる貴・建国科技大学が、創立60周年、70周年、そして100周年へと、「活力・優質・傑出」の建学の理念そのままに、無窮に発展されゆくことを、心よりお祈り申し上げ、御礼のあいさつとさせていただきます。

SGI会長が漢詩を贈る

建學多年労苦路
國中桃季遍四方
聯弾流水高山曲
星月爭輝共一天

〈大意〉
?理事長のもと
多年にわたって
大学建設の苦難を勝ち越えられ
数多の英才が
社会のいたる所で
あまねく活躍しておられます。
貴大学と創大は
高山流水の曲を
連弾して奏で
それはあたかも
星と月が一つの天に在って
輝き合うかの如きであります。

※文中に、大学名と「建國(国)」、?理事長の名前「聯星」が織り込まれている。