周囲から謙虚に学び
感謝できる人が
本当に豊かな人だ。
その「美しい心」に
信仰の輝きが表れる。
開目抄上 P200
『いはずば今生は事なくとも後生は必ず無間地獄に堕べし、いうならば三障四魔必ず競い起るべしとしりぬ、二辺の中にはいうべし』
◇希望の明日へ
人間はだれしも、一人で生きているのではない。互いに共同体のなかの存在である。配慮しあわなければならない。それが当然のルールである。自分の権利や都合のみを主張するのでは、社会人として失格である。御書には「仏法と申すは道理なり」(P269)と仰せである。仏法を持った学会員は、もっとも道理をわきまえた、最高に良識豊かな人でなければならない。自分の家の近隣は、もちろん、大勢の人が集う会館の地域の方々には、特に細やかな配慮と礼儀が絶対に必要である。出会った時の、さわやかなあいさつ。ご迷惑をかけたり不安を与えたりしない細心の心配り。それらをていねいに積み重ねてこそ、仏法への共感の思いも広げていくことができる。また真実の意味で、会館が"地域の幸の城"になることができる。どこまでも人間同士の信頼感が根本である。独善的であってはならない。「信仰している人たちは、さすがである」と、人々が安心し、賞讃しゆくところに、事実のうえで、地域の広布の流れもできあがっていくことを忘れないでいただきたい。
平1・6・3
☆女性に贈ることば 一月十八日
身だしなみや服装を整え、清潔に、きちんとしていくこと。
世界の一流の人格というのは、その点にも心を配っている。
☆今日のことば 一月十八日
私は、私なりに、音楽というものは、生きものであると感じている。心の感動を、音に託して、はじめて音楽は成り立ち得るものと思うし、心と心の共鳴以外のなにものでもない----と思っている。
☆100文字の幸福抄
「母への感謝」を忘れた時、
人は倣慢になる。
大切な「何か」を見失ってしまう。
そのままではやがて、
不幸の方向へと進んでいくことになる。
「母への感謝」をもち続ける人は、
正しく、心豊かな人生を歩んでいける。
☆東奥日報特別寄稿 夢は始まる 全ては"青い森"から
◇道はひろがる
一九七一年の六月、私は三本木原台地の道に立っていました。
自の前には田植えを終えたばかりの水田が広がり、水面には空が映っていました。かつて"樹木一本も見えず"と酷評されたこの不毛の原野の開拓に着手しためは、下北郡川内町(現・むつ市)で青年時代を過ごした新渡戸伝翁です。その志は、長男・十次郎に受け継がれ、今日の豊がな実りの大地となりました。
自分が信じる道を未来に向かって前へ前へと歩む人がいてこそ、『道はひろがる』といえましょう。
日本画の大家・東山魁夷画伯も、青森の美しさに魅せられた一人です。画伯の代表作「道」は八戸市の種差海岸がモデルです。
画伯は、戦前にスケッチされた道の姿を、ずっと心に温めていました。応召され、死と向き合った日々をを超えて迎犬えた一九五〇年、「道」を描くことを決め、再度訪れました。
画伯は述懐します。
「私の中に、このひとすじの道を歩こうという意志的なものが育ってきて、この作品になったのではないだろうか」と。
画伯が描こうとしたのは、あくまでも"これから歩む道"です。そこには。未来へ広がる創造の道を歩む決心が託されています。
過去を振り返るだけでは、失敗が悔やまれたり、昔の栄光にひきずられたりして、新たな価値は生まれない。
大切なのは、常に「今から」「きょうから」「ここから」進む道です。
古来、青森は、本州と北海道、きらに大陸をつなぐ道の要衝でありました。活発な交易や農漁業の様子は、三内丸山遺跡なとがらわかっています。
今も青森は、世界で愛されるリンゴをはじめ、ニンイク、ゴボウの生産量、ヒラメ、シラウオの漁獲量で全国一を誇ります。
農林水産業など第一次産業に就く比率も、食料自給率も、トップクラスです。
先哲の言葉に『食物には三つの徳がある。一つには生命を維持し、二つには健康を増し、三つには力を強くする徳である」とあります。
まさに「食は命」です。食を支えることは、命を支えることです。その食と命を支える青森は、日本の宝です。私は青森の「あずましさ(心地よさ)」が大好きです。厳冬二月の青森駅で、知人のお母さんが列車に渡し入れしてくださった温かなおにぎりの美味しさは今も忘れられません。
私の妻から、青森市に、食についての講習会等で活躍された地域活動栄養士がおられると聞きました。彼女は「料理などの家事が、どんなに価値ある仕事なのかを、女性自身が自覚し、"こんなに、すてきなことをしているんだ"と、自信をもって輝いてもらいたい」と語っています。
地域発展の鍵を握るのは、女性の力です。地域に根を張って生きる女性たちが輝けば、その地域も栄えます。そこから、、郷土を希望の「宝土」とする道も、未来へ大きく広がっていくのではないでしょうか。
ここまで、「夢は始まる」「人はかがやく」「道はひろがる」とのキーワードで、"青い森"の宝を学んできました。
いずれも、私たちの足下にあるものです。
わが愛する郷土、そして、わが尊極の生命の中にある「宝」に光を当ててこそ「地方」は「地宝」の輝きを放っていきます。
その意味でも、東奥日報社の編集綱領に詠われている「ローカルを重視せよ」との視座から、真の繁栄の道が浮かび上がることを確信いたします。
かけがえのない「心のふるさと」青森が、創刊百二十五周年の佳節を迎えられた東奥日報とともに、いやまして栄えゆかれることを、私は願ってやみません。