◇今週のことば
「女子は門をひらく」
楽しきロマン総会から
希望と幸福の連帯が。
心の宮殿を光らせ
未来へ青春勝利の舞を!
2017年1月23日
祈祷抄 P1352
『袋きたなしとて金を捨る事なかれ』
☆女性に贈ることば 一月二十三日
自分の命を削ってまでも、子どものために生きる−−母親の愛情とは、それほど深く大きいものだ。
☆今日のことば365 一月二十三日
栄誉というものは、蛍火のようなものだ。
それが、暗黒の夜空に輝く点では美しく、その限りでは尊いものであるが、近づいてみれば、なんらの力もないことが、すぐわかってしまう。だから、最も美しく尊いのは、与えられるべくして栄誉を与えられた、その人のすぐれた人格にあるわけである。
☆健康 鼠径部ヘルニア 2017年1月8日
脚の付け根が膨らむ
日帰りや短期入院の手術が主流に
俗に「脱腸」とも呼ばれている「鼠径部ヘルニア」。高齢化の影響もあり手術件数は増加してきています。この病気について、日本ヘルニア学会で理事を務める、みやざき外科・ヘルニアクリニック(札幌市中央区)の宮�恭介院長に聞きました。
◇小腸や大腸が飛び出す
脚の付け根、脚とおなかの境目を鼠径部といいます。この部分は、力を入れると最も腹圧がかかりやすい場所です。
また、鼠径部には、腹壁を構成する筋肉がなく、薄い筋膜しかありません。その筋膜が、さまざまな要因で弱くなることで、おなかの中にある小腸や大腸などが飛び出してしまうのが、「鼠径部ヘルニア」です。
年間18万件以上の手術が行われており、誰もがなり得る病気です。男性では50〜60歳代、女性では40歳代が好発年齢で、圧倒的に男性に多い疾患です。
立つと鼠径部が膨らみ、横になったり、手で押したりするとへこむという、出たり入ったりすることが主な症状で、初期には、ほとんど痛みなどがありません。
ただし、放置すると、次第に膨らみが大きくなり、腹部膨満感、便秘などの症状を来すこともあります。
◇3つの種類に分類される
鼠径部ヘルニアは、飛び出ている場所の違いによって、「外鼠径ヘルニア」「内鼠径ヘルニア」「大腿ヘルニア」の3種類に分けられます。
また、発症する時期によって、「小児鼠径部ヘルニア」と「成人鼠径部ヘルニア」に分かれます。
小児鼠径部ヘルニアは、先天性の病気で、発生率は約5%です。鼠径部の腹膜が閉じないまま生まれてくることで発症します。そのほとんどが「外鼠径ヘルニア」で、1歳以下であれば、自然に治ってしまう場合がありますが、基本的に1歳を過ぎると自然に治ることはありません。
成人鼠径部ヘルニアでは、約75%が「外鼠径ヘルニア」で、次いで「内鼠径ヘルニア」が約20%の頻度ですが、女性の内鼠径ヘルニアはまれです。
「大腿ヘルニア」の頻度は5%以下で、ほとんどが女性です。
加齢によって筋膜が弱くなることが主な原因とされ、ぜんそくや便秘、排尿障害などの他の疾患、女性であれば妊娠、あるいは長年の力仕事や立ち仕事などによる負担も加わって発症するとされています。
◇メッシュシートで覆う術式
鼠径部ヘルニアの唯一の治療法は手術です。小児の外鼠径ヘルニアでは、ヘルニアの出口を糸で縛ってふさぐ「高位結紮術」を行います。
一方、成人鼠径部ヘルニアでは、この方法だけでは不十分で、弱くなった鼠径部の筋膜を補強する必要があります。
以前は、筋膜と筋膜を引き寄せて縫合する方法「組織縫合法」が行われていましたが、術後の痛みや突っ張り感が残ることが多く、再発の可能性も10%以上と高かったのです。
こうした課題を解決するため、20年ほど前から行われるようになったのが、「メッシュシートによる鼠径ヘルニア修復術」です。
これは、主にポリプロピレン製の網目状のシートを用いて、ヘルニアの出口とその周辺を広く覆うものです。
切開口は4〜6センチ程度で、メッシュは腹圧でしっかりと腹壁にくっつくため、内部の密な縫合は不要です。
現在、日本で使用されているメッシュシートは20種類以上あります。当院では、性別、年齢、ヘルニアの大きさや種類に応じて、数種類のメッシュを使い分けており、患者さんに最も適したメッシュを使用するようにしています。
また、違和感や異物感の少ない柔らかいタイプのもの、体内に入れた後に半分以上が溶けて吸収される半吸収性のものなど、メッシュシートの改良も進んでいます。
実際の手術時間は40〜50分程度です。皮膚の閉創を特殊な接着剤で行うことで、抜糸の必要もありません。
従って、最近では、多くの施設で日帰り手術が行われています。また、腹腔鏡手術が得意な施設では、腹腔鏡による鼠径ヘルニア修復術を行うこともあります。
当院では日帰り手術ですので、手術当日からシャワー浴ができ、3日後からは入浴も可能です。保険が適用されますので、通常の手術であれば3割負担の場合、5万円程度の自己負担額となります。
◇自身のタイミングで治療
鼠径部ヘルニアは薬や生活習慣の改善では治りません。先に述べた通り、根治させるためには手術しかないのですが、たいていの場合、手術の緊急性はありません。
鼠径部ヘルニアは、がんなどの悪性疾患とは違い、良性疾患だといえます。従って、早期発見・早期治療の考え方は当てはまりません。症状が悪化してくる過程は自覚することができます。
注意が必要なのは、痛みがあっても放置したままでいることで、押しても戻らない状態になることです。そうなると、飛び出した臓器に血液が流れなくなり、そのままだと壊死してしまうことがあります。
この状態を嵌頓といい、その場合はすぐに手術が必要です。痛みが続くようであれば、すぐに専門医の診断を受けるようにしてください。
痛みを感じない状態であれば、自分自身の決断で、いつでも手術を受けることは可能です。手術法の進歩などにより、再発も減り、術後の生活の質(QOL)も保つことができます。自身の生活のリズムに合わせて、安心して手術を受けていただければと思います。