2019年6月6日木曜日

2019.06.06 わが友に贈る

リーダーは
草の根をかき分けて
悩める友に励ましを!
スピードは慈悲に通ず。
安心の絆を幾重にも!

聖愚問答抄上 P491
『知恩をもて最とし報恩をもて前とす世に四恩あり之を知るを人倫となづけ知らざるを畜生とす』

【通解】
(聖人は)恩を知ることを最高とし、恩を報ずることを第一とする。世の中には、四つの恩がある。これを知る者を人倫と名づけ、知らない者を畜生というのである。

〈寸鉄〉 2019年6月6日
牧口先生の生誕日。立正安国の対話に歩み抜いた先師。我らも勇み語ろう
関東婦人部の日。限界を破る拡大へ更に!母たちの敢闘精神こそ勝利の光
青年よ誠実であれ。策や要領ではいけない—恩師君の大情熱で新時代開け
5月の熱中症搬送、昨年の1・6倍。記録的暑さ。空調活用や水分補給賢く
中高年ひきこもりの訪問相談、東京都が開始。公明が推進。悩める声に即応

☆アメリカ創価大学 第15回卒業式への池田先生のメッセージ 2019年5月27日
「対話の力」で変革と創造の連帯を
自分自身が未来を創る新しい理想を掲げ挑戦!
ゴルバチョフ氏と語り合った信念
「世界を正しくする人は不屈の楽観主義を持て」

一、黎明を告げる旭日のように、鮮烈に「希望の光」を放ちゆく卒業生の皆さん、誇り高き新出発、誠におめでとう!
ご家族、またご友人方も、見違えるように大成長を遂げた皆さんの晴れ姿をどれほどうれしく見守っておられることでしょうか。
宝の俊英たちを、常に温かく励まし、支えてくださった、教員・職員をはじめ、すべての方々に、厚く御礼を申し上げます。
ご多忙の中、祝福に駆け付けてくださった、多くのご来賓の先生方、誠にありがとうございます。
人類の平和と幸福に貢献しゆく、若き世界市民のリーダーとして巣立ちゆく誉れの15期生、大学院新教育プログラム4期生の皆さんの門出にあたり、新時代に要請される「三つの力」について、確認し合いたいと思います。

◇女性が開いた和平交渉の道
一、第一は、「変革と創造を呼び醒ます対話の力」です。
本日の式典には、光栄にも、アフリカの偉大な平和運動家で、ノーベル平和賞を受賞されたリーマ・ボウイー先生を、再びお迎えすることができました。
1989年から14年間に及んだリベリアの内戦において、女性の力を結集して非暴力の抵抗運動をリードし、紛争の終結に貢献を果たされた勇気と信念の指導者です。
ボウイー先生が平和構築者(ピースビルダー)としての行動を開始されたのは、今の皆さんと同じ年代と伺っております。
非暴力の"武器"として掲げられたのは「対話」であります。悲嘆に暮れる女性たちの声に徹して耳を傾け、体験を分かち合い、共に涙をぬぐいながら、自らの悩みを超越して、平和へと立ち上がる希望の連帯を広げていかれたのです。
この対話運動により、やがて幾千の母たちが自分自身の力に目覚めていきました。宗教を超えて手を携え、一緒に歌を歌い、「平和を!」と声を上げていくスクラムに、兵士や政府の役人も、「ありがとう、お母さん。未来はあなたたちにかかっている」と感謝をささげるように変わります。そして、遂に和平交渉の道が開かれていったのです。
ボウイー先生が喝破された通り、「自分で状況を変えることができる」と気付いた人々の情熱は、誰も消すことができません。
対話とは、人間の善性を信じ抜き、互いに触発し合い、忍耐強く引き出していく挑戦にほかならないでしょう。
皆さんには、多様性の輝く創価のキャンパスで鍛えた「対話の力」があります。この力をいよいよ、生き生きと発揮して、ボウイー先生を大いなる希望のモデルとしながら、自らの足元から変革と創造の連帯を広げていっていただきたいのであります。

◇歴史も人生も「現実」との戦い
一、第二は、「いかなる逆境にも、理想を掲げ抜く力」であります。
冷戦終結の立役者である元ソ連大統領のゴルバチョフ氏は、アメリカ創価大学の開学にメッセージを寄せ、心から祝福してくださった一人でもあります。
氏と私は、「世界を正しくしようとする人は、楽観主義であれ!」と語り合いました。
歴史も人生も、「理想」と「現実」のせめぎ合いです。新たな理想を掲げれば、必ず多くの困難が立ちはだかるものです。だからこそ、不屈の楽観主義と遠大な展望を持たねばなりません。
日本の軍部政府の投獄を耐え抜き、第2次世界大戦直後、「人間革命」の哲学、そしてまた「地球民族主義」という理念を提唱した、私の恩師である戸田城聖先生は、どんな苦難にあっても悠然と語られていました。「百年後、二百年後のために、今、戦うのだ。二百年先には、創価の道の正しさを歴史が証明する。後世の人類が必ず証明するよ」と。
"現実は厳しい"と下を向くのではなく、"自分はこうしてみせる""こういう未来を創ろう"と胸を張って前を向く勇気——これが創価の魂です。
わが卒業生の皆さんは、まずは10年先、20年先を目指し、強く朗らかに進み抜いていただきたいのです。

◇"感謝の人"は限りなく成長
一、最後に申し上げたいのは、「陰の労苦に光を当て、感謝する力」です。
わが恩師は、若き日、アインシュタイン博士の講演を、直接聞いた歴史を宝としていました。
このアインシュタイン博士の忘れ得ぬ言葉があります。「私は1日に100回、自分に言い聞かせます。私の精神的ならびに物質的な生活は、今も昔も他者の労働の上に成り立っているということを。そして自分が受けてきたことや、今も受け続けている恩恵と同じ分だけ返せるように尽力しなければならないということを」(志村忠夫監修・翻訳『アインシュタイン 希望の言葉』ワニブックス)
陰で支えてくれている方々の苦労への深き感謝がある限り、進むべき道も、価値基準も明確になり、自らの人間としての成長も、前進も決して止まりません。
この究極の人間学に、SUAの誇る教育理念があります。
ボウイー氏と共に、ノーベル平和賞を受賞された、リベリアのサーリーフ元大統領も、リーダーとして成長する方法の一つは、庶民の苦悩を自らの苦とする立場に身を置くことである、と語られていました。
SUAの本部棟は、「ファウンダーズホール」と、ファウンダー(創立者)の複数形の表現となっています。まさに、皆さん自身であり、さらに皆さんを支えてくださったご家族、ご友人、そして全世界の真心の宝友の方々です。
皆さん一人一人の成長が、世界の友の喜びであり、創価の勝利です。SUAの発展と躍進こそ、民衆への報恩であり、人類の未来の希望なのであります。
私は、皆さんが若き創立者として、SUAの新たな伝統を、見事に築いてくれたことに、心から感謝しております。
どうか、これからも、後に限りなく続く後輩たちのために、SUAを勝ち栄えさせていってください。
一、今月末で、アメリカの民衆詩人ホイットマンは生誕200年を迎えます。
ホイットマンが弟子に語った言葉を結びに贈り、メッセージといたします。
「僕は、納得のいく結果がでるまでは、挑戦、挑戦、そしてさらに挑戦する。そのうえで、必要なら、一からだってやり直すのだ」
わが夢であり、わが生命であり、21世紀の太陽である一人一人に、健康あれ! 栄光あれ! 勝利あれ!(大拍手)