多忙であればあるほど
唱題根本を心掛けよう。
題目を唱え抜く人は
絶対に行き詰まらない。
強盛の大信力で前へ!
経王殿御返事 P1124
『いかなる処にて遊びたはふるともつつがあるべからず遊行して畏れ無きこと師子王の如くなるべし』
【通解】
たとえ、どのようなところに遊びたわむれていても、災難あるはずはない。悠々と遊行して畏れないことは師子王のようであろう。
〈寸鉄〉 2019年6月5日
学会が社会に打って出るのは功徳を広げるため—恩師。幸送る対話、今日も
正・副役職の金剛の団結で力が倍加。情報を共有し異体同心で勝利劇綴れ
福井の日。師弟共戦で進む常勝の勇者。今こそ愛する郷土のルネサンスを
国連「世界環境デー」。衣服の軽装化等、"できること"から地球守る一歩
AEDの使用が1分遅れるごとに救命率10%低下と。設置場所を再度確認
☆中国・広州 廖承志・池田思想学術シンポジウムへの池田先生のメッセージ 2019年5月25日
◇"地球益"の時代へ人道の連帯を
一、今回のシンポジウムのテーマは、"新時代に向かう中日友好"と伺いました。この響きそれ自体の中に、共存共栄の希望の新時代を開かんとの、先生方の強い意志を、私は感じてなりません。「平和友好条約」締結から40周年となった昨年は、両国の首相の相互訪問が実現しました。
さらに、来月には、習近平国家主席も来日される予定となっています。多くの方々の努力が重なり合っての近年の両国関係の改善は、平和友好を願い行動してきた一人として、何よりの喜びであります。
「晴れの日も 雨にもかわらぬ 友誼かな」——どんなことがあっても、中国とは友好を貫いていかなければならない。それは、45年前の5月に、ここ広東の大地に訪中の第一歩を印した時も、そしてこれからも、私の一貫した信念であります。
広州から北京に着いた深夜、自ら空港に出迎えてくださり、この初訪中の間、私どもの受け入れの全責任を担ってくださったのが、広東に所縁深き廖仲�先生の子息であり、中日友好協会の会長であられた廖承志先生でした。幾重にも感謝は尽きません。
最初の挨拶の折、廖先生が力を込めて語っておられた言葉が、今も耳朶に響いております。すなわち、両国人民の友好は「いかなる力も阻むことのできない歴史の潮流である」との言であります。
この廖先生の気高き志を受け継がれる先生方とご一緒に、私は報恩の思いを胸に、友好の潮流をさらに育み、広げ、未来へ滔々と流れ通わせていきたい。
そのために、ここでは、3点、所感を述べさせていただきます。
1400年前の"留学生"交流
一、第一に、「"開かれた学びの心"こそ、友好の力である」という点であります。
貴国が誇る李白・王維ら文人と日本の遣唐留学生であった阿倍仲麻呂との香しい親交に象徴されるように、いにしえより両国の交流の歩みに光彩を放ってきたのが、"相互の学び"の伝統ではないでしょうか。
両国の留学生交流の歴史は、1400年前にまでさかのぼります。日本は貴国に使節を派遣するなどして、文化や国際情勢等々、万般にわたって学び続けてきました。私たちが、中国を"文化大恩の国"として尊敬し、感謝する所以でもあります。
清朝末期から、日本も中国の多くの留学生を迎え入れました。
多い時には1万人もの留学生が来日していたといわれております。その中に、近代中国の大文豪・魯迅先生も、青雲の志に燃える若き周恩来総理も、そして、廖承志先生もおられたのであります。両国友好の黎明期、こうした留学生たちがもたらした恩恵は、計り知れません。
「柔道の父」としても名高い教育者の嘉納治五郎先生は、広東をはじめ中国各地からの留学生のために弘文学院を創立しました。「創価教育」の創始者である牧口常三郎先生は、若き日、この学院で、中国の未来を担う向学の青年たちに地理学を教えました。
日本語が不慣れな留学生たちが体系的に学べるようにと、書き込みができる手づくりの教材を配布するなど工夫を凝らし、心を尽くして薫陶したのです。魯迅青年の在学期間とも、2カ月ほど重なっております。
この先師の心を体して、私自身、貴国をはじめ各国からの留学生を、国の代表であるとともに、両国そして世界の未来の平和をつくりゆく使者であると思って迎えさせていただきました。近年、両国の関係の困難な時期にあっても、その打開のために、創価大学に学ばれた程永華前駐日大使をはじめ、留学経験者の方々が陰に陽に奮闘され、見事に改善してくださったことは、ご存じの通りであります。
ともあれ、両国の新しい時代を築いていくにあたり、互いに真摯に学び合い、その「恩」を大切にする。この麗しき"開かれた学びの姿勢"の伝統をさらに育みながら、世界の模範としていきたいと、私は願っております。
一、第二に、「教育交流を通して友誼の絆を万代に」という点であります。
未来を開き、新しい時代をつくるといっても、その主体は、どこまでいっても「人間」です。
日中関係の基本指針として、私が繰り返し青年たちと確認し合ってきたことがあります。それは、民衆という「大海」が確かであれば、政治や経済といった「船」は進むことができる、ということです。まさに、この民衆と民衆の心の絆こそ、普遍的、恒久的な紐帯でありましょう。
ある意味、政治や経済次元の関係は、天候のように変化が絶えません。だからこそ私は、文化・教育を通じて、両国の民衆が交流する友誼の海原を開くことに力を注いできました。
一人一人の心に築かれた目に見えない絆こそ、表層の状況が変動した時にも、平和と友好の正しい航路へ軌道修正していく根源の力になると信ずるからです。
それは、一つの世代から次の世代へ、さらにその次の世代へと、受け継がれていかねばならぬ建設作業になります。
青年こそ未来をつくる力であり、その青年をつくるのが教育であります。そして、青年の連帯こそ平和をつくる力であり、その連帯をつくるのが教育の交流ではないでしょうか。
文化相を務められた作家の王蒙先生は、私との対談の中で「現実の生活に、いかなる試練やトラブルがあったとしても、新たな人々が現れ成長していきさえすれば、また、国家が正常に、積極的かつ確実に教育事業を発展させていきさえすれば、私は未来に希望を抱ける理由を見出すことができる」と強調されておりました。本日お集まりの先生方と力を合わせて、平和と共生の世界市民を育み、結び合う人間教育の潮流を、さらに強めていきたいと望むものです。
若者の創造力を変革の原動力に
一、第三に、「持続可能な未来の建設へ、両国が人類連帯の先頭に」と申し上げたい。
広東に生を享けられた先見の大指導者・孫文先生は、喝破されました。「人類は相互扶助を原則とするのである。社会、国家は相互扶助の形態であり、道徳、仁義は相互扶助の機能である。人類はこの原則にしたがえば繁栄するが、この原則にしたがわなければ滅亡する」(伊地智善継・山口一郎監修『孫文選集第2巻』社会思想社)と。
この鋭い警鐘は、時とともに色あせるどころか、輝きをいや増しております。
今、地球社会はかつてない危機の様相を呈しています。例えば、気候変動の問題は、国境を越えて世界各地で深刻な被害をもたらしており、中国でも日本でも、打開に向けて多くの取り組みが行われているところです。
習近平国家主席は、人類の未来を開く重要な視点として、「人類運命共同体」という価値観を提唱されております。さまざまな危機の出現によって、現在の国際社会のあり方が揺るがされている時こそ、社会のありようを見つめ直し、必要な変革をなす好機でもありましょう。
今こそ、運命共同体の意識に立ち、若い世代の情熱と創造力を原動力としながら、両国が「地球益」「人類益」に向けた「行動の連帯」を進めていくべき時であると思うのです。
牧口先生は、中国の若き英才たちにも講義した『人生地理学』の中で、"他の犠牲の上に自らの繁栄を追求する"競争からの脱却を果たし、国家の目的を「人道的競争」へと向け直すべきだと訴えました。
人類的課題が山積している現代世界において、「国益」から「人類益」へ、さらに「分断」から「融合」への流れは、まさしく時代の要請といえましょう。
教育も、国家のために働く人間から、人類の幸福と世界の繁栄と平和のために働く人間の育成と連帯に尽くすことが求められております。これからの両国が、まさに「人道」を基軸としながら、共々に生命尊厳と恒久平和の時代を開拓していく旗手となることを、深く念じてやみません。
一、結びに、廖承志先生が未来への思いを込めて、日本の友好人士に贈られた一詩を、あらためて生命に刻みつつ、私のメッセージとさせていただきます。
「暖かき春風 地に満ちて、梅香りしあと 桜咲く。霜も寒さも 恐るるなし、心に永遠の 友誼あり」
謝謝!(中国語で「ありがとうございました!」)(大拍手)