今秋の教学試験に
多くのメンバーが
挑めるよう激励を!
共に学び 語り合う中で
新たな人材は育つ!
椎地四郎殿御書 P1448
『先日御物語の事について彼の人の方へ相尋ね候いし処仰せ候いしが如く少しもちがはず候いき、これにつけてもいよいよはげまして法華経の功徳を得給うべし、師曠が耳離婁が眼のやうに聞見させ給へ』
◇希望の明日へ
政治や経済における往来も重要であることは、論を待たない。しかし、より永遠なる友好交流を支えるのは、何より民衆と民衆を結ぶ"心の絆"である。民衆次元の信頼関係を欠いては、政治・経済上のいかなる結びつきも砂上の楼閣になってしまう恐れがある。民衆という"大海"のうえにこそ、政治・経済の"船"は浮かび、進むのである。民衆と民衆の心の絆は、目には見えない。しかし、見えないがゆえに強い。無形であるがゆえに、普遍的・恒久的な紐帯である。それを形成しゆくのは、人間の精神に"永遠""普遍"への飛翔の翼を与えてくれる文化の光彩である。
平2・5・28
☆四国新聞特別寄稿 「瀬戸内海国立公園80周年に寄せて」
金波、銀波が光る瀬戸内海は、地球の宝の海です。
私が対談したイギリスの歴史学者トインビー博士も、月光に照らされた瀬戸内海を「世界で最も美しい景色の一つ」とたたえ、そこから受けた心の啓発に深い感謝を記されていました。
すでに19世紀の半ば、ドイツの地理学者リヒトホーフェンは、瀬戸内海には「至る処に生命と活動があり、幸福と繁栄の象徴がある」と絶賛しています。
この瀬戸内海が、尊き郷土愛の先人たちの熱情によって、日本で最初の国立公園に制定され、今年で80周年。ほぼ同じ年輪を重ね、世界大戦を体験し、環境破壊に直面してきた私たちの世代にとって、瀬戸内海国立公園は、21世紀の人類へ託す、かけがえのない平和と共生の希望の海です。
戦時中、平和の信念を貫いて獄死した私どもの先師も、人間の交流の舞台である瀬戸内海を、地中海とともに、新たな文化・文明の起点と着目していました。
世界の大海原に開かれた瀬戸内海は、たゆまず潮流が交じり合い、また豊かな大地から滋養に富むミネラルも注がれ、多種多彩な生態系を育んでいます。
そして明るい陽光に恵まれた温暖な気候のもと、瀬戸内の人々は、生命の賛歌を謳い上げながら、創意工夫を重ね、活発な農漁業を栄えさせてこられました。伊吹島のいりこ、志度湾のカキ、引田の養殖ハマチ、坂出・観音寺の金時にんじん等々、海の幸、山の幸は枚挙に暇がありません。
私と妻が36年前、小豆島を訪れた折、忘れ得ぬ出会いを結んだ一人の母は、定年直前からオリーブ栽培を始め、挑戦を続けてきました。昨年のオリーブオイルの国際品評会では、見事に金賞を受賞されています。
この母を支えたのは、「自らを育ててくれた故郷に恩返しをしたい。愛する島の名前を世界に広めたい」との気高い志でした。
仏典には「衆生の心が清ければ、国土も清し」とあります。瀬戸の天地の美しさは、まさしく人々の心の美しさと一体不二でしょう。そこには、自然と人間の麗しい共存があり、人間と人間の温かな絆があります。
私の友人である香川漆器の陶芸家は、瀬戸内国際芸術祭など世界との文化交流を広げるとともに、女木島の地域のリーダーとして、励まし合い、支えあう高齢社会のネットワークを粘り強く結んでいます。
「考えているだけでは何もできない。失敗を恐れず実行してみよう」とは、江戸期のイノベーションの先駆者・平賀源内の志です。
「何がでっきょんな」と朗らかに挨拶を交わしてきた讃岐には、共々に新しい開拓へ踏み出していく活力がみなぎっています。
今、香川大学を中心に産学官で研究・生産に取り組んでいる「希少糖」も、健康の世紀を創造する画期的な夢の糖として、世界から注目されています。
四国は志国(志の国)。
「ふるさと教育」にも力を注ぐ宝の郷土から、共生と創造の志を受け継ぐ若き「世界志民」たちが、未来の大海原へ船出していくことを願ってやみません。
瀬戸の海
希望の万波を
世界まで