役員の方々の
見えざる尽力ありて
会合運営は万全に。
幸の集い支える陰徳に
功徳の陽報は燦然!
四条金吾殿御返事 P1192
『此の日蓮は首題の五字を汝にさづく、法華経受持のものを守護せん事疑あるべからず』
◇人生の座標
人間が人間らしくあること、本当の意味での充足感、幸福感は、"結びつき"を通してしか得られない。
☆未来の翼〜世界が君を待っている〜第6回 不屈の都モスクワ�
ナターリヤ・サーツさんも、私と妻の大切な友人です。
サーツさんは、世界初の「子どものためのオペラ劇場」である「国立モスクワ児童音楽劇場」を創設し、総裁を務めた方です。
最初の出会いは1981年5月。「雀が丘」から、ほど近い児童音楽劇場で、「ナターシャおばさん」と慕われるサーツさんが、笑顔で迎えてくれました。
大きな身振り手振りで、あふれ出る感情を表現される姿は"天真爛漫な少女"のようでした。私と妻の間に入って手を取り、自ら素敵な劇場を案内し、ご自慢の子どもたちを紹介してくださいました。
サーツさんは、9歳でお父さまを亡くされました。さらに最愛のご主人も独裁政権によって粛清され、自身も「人民の敵の妻」として5年間、強制収容所に入れられました。美しい栗色の髪は、瞬く間に白くなってしまいました。
最大の心の支えだったお母さまも、空爆で亡くなりました。お母さまは被弾した後も、サーツさんの舞台衣装を抱えて友人の家までたどり着き、絶命されたのです。
収容所から出た後、その友人宅を訪れたサーツさん。夜、お母さまが息を引き取ったというソファに横になり、静かに目をつぶっていると、お母さまの夢を見たそうです。夢の中で、お母さまは語り掛けました。
「歌うのよ、ナターシャ、何があっても歌うのよ。人生って、それは楽しいものなんですから」
サーツさんは、絶望の淵から顔を上げました。いかなる困難にも、度重なる悲しみにも、負けることなく、前へ進みました。そして、子どものための芸術活動に献身する人生を歩み抜いたのです。
サーツさんは語っています。
「何でも簡単にできたことは一度だってなかった。常に困難があって、むしろそれをのり越えるのが好きだ」と。
サーツさんが心掛けていた「困難を勝ち越える知恵」があります。
それは──つらくて仕方がない時は、もう一人の自分が舞台に立っている姿を想像すること。そして、あたかも自分が演出家のようになって、舞台上の自分にウインクしながら、「ちょっぴりやっかいになってきちゃったね。さあ、ナターシャ、あなたがどうやってここを切りぬけるか、みものだわ」と語り掛けるという方法です。
人生、そして青春は「劇」です。
楽しい出来事もあれば、思わぬハプニングもある。苦闘の時期や胸躍る大逆転の瞬間、時にはほっと一息つく幕間もあるでしょう。いろいろあるから、おもしろい。
だから、君がつらい時、貴女が苦しい時こそ、それは、「さあ、ここからだ!」「いよいよ勝負の時が来た!」という"青春勝利の舞台の見せ場"なのです。
大聖人は、苦難にも負けずに前進する弟子の戦いを、『未来までの・ものがたり』(P1086、「兄弟抄」)と讃えておられます。
最高の妙法を持つ皆さんの奮闘は、必ずや未来の後輩が、世界の人類が、「あの人の負けじ魂の劇を見よ!」と仰ぎ見る物語となっていくのです。
冷戦を終結させた元ソ連大統領のゴルバチョフ氏と初めてお会いしたのは、1990年7月27日のことです。
この時、大統領の日本初訪問の実現が危ぶまれていました。モスクワのクレムリン宮殿で、私は開口一番、「きょうは、大統領と"けんか"をしに来ました! 火花を散らしながら、何でも率直に語り合いましょう。人類のため、日ソのために!」と切り出しました。
するとゴルバチョフ氏は、一気に表情を崩し、はずむ語らいの中で、その次の年の"桜の咲くころ"に日本を訪問したいと希望を語られました。トップニュースとして、世界に発信されました。
翌年の4月、氏はその約束を守り、ソ連の最高指導者として初の訪日が実現し、両国にとって歴史的な友好の春が花開きました。
後年、その氏を、わが関西創価学園にライサ夫人と共にお迎えできたことも、金の思い出です。(97年11月)。氏と共に茨の道を歩んだ夫人が語られた言葉を、学園生たちも大切にしています。
「人生には、さまざまな痛手を受けることがあります。心の傷が癒えないこともあります。必ずしも夢のすべてを実現できるわけでもありません。しかし『達成できる何か』はあります! 何か『実現できる夢』は必ずあるのです!
だから、最後に勝利する人とは、たとえ転んでも、立ち上がり、再び前に進む人です」
わが人生という舞台で、自分が誇れる「何か」を残せば、たとえ途中がどうであろうと、それは勝利劇です。へこたれないで朗らかに、わが使命を信じ抜き、戦いのドラマを最後まで演じ切った人が真の勝利者です。君たち、貴女たちの「名演」が、どれだけ多くの世界の友を鼓舞し、勇気づけていくことでしょう!
さあ、君たち、貴女たちにしか綴れない、「自分自身の物語」の幕が上がりました。
名俳優の君、名女優の貴女の負けじ魂の舞を、父母も、創価家族も、私も、そして、未来の地球の若人たちも、大喝采を送りながら、見つめています。