詐欺に厳重な注意を!
"変だな"と思ったら
周囲に確認・相談を。
皆で声を掛け合い
事故を未然に防ごう!
富木殿御返事 P978
『尼ごぜんの御所労の御事我身一身の上とをもひ候へば昼夜に天に申し候なり』
【通解】
夫人のご病気のことは、私自身の身の上のことと思っておりますから、昼も夜も諸天に祈っております。
〈寸鉄〉 2018年11月30日
最初の一撃が戦の半分—格言。青年が"勝利の年"へ先駆。堂々、対話拡大を
21世紀型リーダーの要件は話をよく聴く姿勢と。現場の声に耳傾け心結べ
感染性胃腸炎が流行の兆し。石鹸で30秒超の手洗いが予防の要。皆で撃退
自転車の「ながら運転」は厳禁。携帯やイヤホン等。一瞬の油断が尊き命奪う
寒さが増す季節。全国の同志が被災地の皆さまの健康・無事祈る。共に前へ
☆地域を歩く 東京・豊洲本部 2018年11月20日
◇生まれ変わる街で
先月、東京・江東区豊洲に開場した「豊洲市場」は今、話題のスポット。その周辺はどんな所なのだろう。
海に突き出た市場から、内陸の方へ歩いてみた。
まず目の前に現れたのが、林立する高層マンション。たくさんの小・中学生、高校生たちを見掛ける。なるほど、市場のほど近くに学校がある。この十数年で、豊洲の公立小学校は1校から3校に増えたという。さらに進むと、海辺の公園と巨大なショッピングモールが。豊洲駅付近は親子連れや若者でにぎわい、すぐ近くで「ガッシャン、ガッシャン」と、つち音が響く。至る所で大型の建物が建設中だ。
◇
豊洲は、大正後期から昭和初期にかけて、東京湾の埋め立て事業で生まれた。かつては造船などの工業地帯だったが、十数年前から、工場の跡地にマンションや商業施設が次々と建ち、人口が急増した。
越中島に面する豊洲1丁目の一角に、都営アパートがある。「昔は、富士山がよく見えましたよ」。44年前からここで暮らす、桜井けい子さん(区婦人部主事)が教えてくれた。
防火防災女性部会の一員として、つい先ほどまで消防車に乗り、火災予防を呼び掛けて町内を回っていたそうだ。自治会での長年の奮闘に対して、最近、区から功労賞が贈られた。
「この湾岸地域には今、日本中、世界中から人が集まってきています。学会員も、それぞれの立場で頑張っていますよ」
◇「豊かさ」とは心の輝き新たなモデルを示す
豊洲をはじめ、東雲、有明の3地域を広布の舞台とする豊洲本部。有明では、高層マンションのみならず、東京五輪の競技会場の建設・整備も進む。
この"生まれ変わる街"で暮らす学会員には、先端的な分野で働くメンバーも多い。
矢島裕至さん(地区幹事)は、空間音響デザイナー。人間が一番心地よく音を感じる空間を、総合的にデザインするスペシャリストだ。
会議をはかどらせたい。集客を上げたい。ストレスを和らげたい……。そんな空間をつくるには、「"目に見えない音"が大事です」と語る。これまで、国内外の一流ホテルやレストラン、病院や美容施設を手掛けてきた。
かつては音響関係の企業に勤めていたが、2002年に独立。きっかけは、学会活動で得た「一人の人を大切に」との思いだった。"音が主役"でなく"人が主役"の空間をつくろうと決めた。
男子部時代、行事の運営を担う創価班で、光の当たらない所にこそ、物事を支える本質があると学んだ。"陰で働く人が心地よいデザイン"を目指し、豊洲をはじめ各地で物件の設計に関わっている。
「目標は、誰もが楽しくて、安心できる場」
それを仕事と学会活動の両方で創るのが夢だ。
◇
"健康博士"の愛称で周囲から親しまれる鈴木誠二さん(地区部長)は、予防医療のコンサルティング会社の代表取締役。農学博士でもある。各地で講演会を開き、国への政策提言も行ってきた。
「過去の健診結果から未来の健康状態を予測し、病気の発症を未然に防ぐための行動支援をする。それが私の仕事です」
仕事は主に、健康保険組合の医療費・健診結果の分析。健康管理の指導員も育てている。
かつて妻が3番目の子を妊娠した時、子宮口がふさがる全前置胎盤と診断された。「信心で必ず乗り越えられる」と婦人部の先輩が親身に寄り添ってくれた。母子共に生命に及ぶ危険もあったが、無事に出産することができた。「今の家族があるのは、学会の皆さんのおかげ」と、鈴木さん夫妻は振り返る。
信仰体験を語り合う毎月の地区座談会。鈴木さんは地区部長として、事前に、式次第やテーマ、自身の体験などを記したチラシを作って配る。会合当日は、パワーポイントを駆使して仏法哲理の講義を行う。
一つの出会いに心を込めずして、波動は生まれない——それが鈴木さんのモットーだ。
豊洲の一帯はファミリー層が目立ち、未就学児を育てる若い夫婦も多い。
マンションの公共スペースを活用し、3年前から毎月、子育て支援サークルを開いている高木啓子さん(地区婦人部長)。他の4人の婦人部員と運営し、手遊び歌、工作、絵本の読み聞かせなどを実施している。
高木さんは4年前、夫の転職で豊洲へ転居した。女子部時代から心に刻む「女子は門をひらく」(御書1566ページ)との一節を胸に、"この地で、地域の繁栄と、子どもたちの未来を開いていこう"と深く誓った。
サークルを立ち上げた当初は、自分たちで作ったチラシを手に、地域の住民に語り歩くところから始めた。初めて参加した親子が、次に他の親子を連れて来てくれた時、「やって良かった」と喜びを分かち合った。今では毎回、30人ほどの親子が参加するまでになっている。
一緒に暮らす母親の田島ヒロ子さん(地区婦人部長)も、長年、民生委員や消防団の副分団長を務めるなど、親子で地域に尽くす。
◇
あるマンションの最上階にあるラウンジ。「あそこが市場、向こうがオリンピックの競技場、こっちはマンションが建ちます」
てきぱきと案内してくれたのは、中島さおりさん(白ゆり長)。マンションに暮らす有志からなる自治組織の中心的メンバーとして、マンションの日照権の課題や、近隣の安全対策などに取り組む。
中島さんは、かつてパニック障害を発症。そんな中、夫との結婚を機に有明に来た。「夫と選んだ有明の地。広布の使命を果たせる自分になりたい」と祈り続ける中、病気を克服した。
体調も安定し、娘を出産。その1年半後、今度は乳がんと宣告される。夫は「これでまた、信仰で苦難を乗り越えた体験を語れるね」と。感謝と決意の涙があふれ出た。
「私、がんなの。でも負けないから見てて!」。そう友人たちに語っては、マンションに暮らす人たちのために尽力。そんな中島さんの姿に、住民の信頼は厚い。
今年、がんは経過観察を続けて7年目を迎える。仲良しのママ友たちと励まし合い、これからも理想の街を目指す。
豊洲本部では、人の出入りが激しく、青年世代では特に顕著だという。その大半が豊洲以外の地域の出身だ。海外出張などで多忙な友も多い。
マンションは何重ものオートロック。どう"横のつながり"をつくるかは課題だ。
本部のリーダーたちに思いを聞いた。
学生時代から豊洲に暮らす、保育士の西島幸子さん(女子部副本部長)。かつて自信を失った時、「悩んだ時こそ、人は変われる」と先輩に励まされ、成長できた。信仰を共にする仲間の存在ほど、心強いものはないと学んだ。「今まで受けてきた励ましを、今度は私がみんなに送っていきます」
繊維関係の企業に勤め、海外出張も多い城取和明さん(男子部本部長)は、東京・江戸川区の出身。生まれ育った下町と、豊洲の街並みは全く違う。「でも」と、力を込める。
「時代や暮らしは変わっても、一人を大切にする学会精神は変わりません。祈ると、不思議と会いたい人に会えますし、出会えた喜びもひとしおです」
祈りとは、相手のことを本気で思う心。だからこそ、会うための知恵が湧く。そして一度の出会いから交流の輪が広がる。
◇
豊洲・東雲・有明を含む、豊洲地区町会自治会連合会会長の小安勤さん。豊洲で育ち、今も晴海通りで布団店を営む。
「新しく越してこられる方々とも、一緒になって良い街づくりがしたい。そのためには、"自分の今"だけでなく、"みんなと、子どもたちの未来"という大きな視野に立って物事を考えていくことが、とても大事だと思います。学会の皆さんに、どんどん活躍していただきたい」
戦後、日本の復興を支えた「豊洲」。その名には、「将来の発展を期す豊かな州」という意味がある。
仏法では「三つの財」が説かれる。すなわち「蔵の財(金銭やモノなどの財産)」「身の財(肉体的な健康や技能など)」そして「心の財」。それぞれ人生の「豊かさ」を表す尺度といえよう。
いずれも欠かせないものだが、人生の幸不幸を決定づけていくのは「心の財」であり、その「心の財」の輝きが、「蔵」と「身」の豊かさにもつながっていく。
豊洲本部の友は、家庭も仕事も十人十色。だが心には、同じ決意がみなぎっている。
"私たちの街に、豊かさの新しいモデルを創ろう!"と。
その心の輝きが、わが街の未来を明るく照らしていく。